
「カバンを取りに行ったのに、漫画を見つけて漫画だけ持ってきてしまった」なんて経験ありませんか?そんなうっかりミスのことを心理学用語でアクション・スリップと言います。
本日はこのアクション・スリップについてご紹介します。
アクション・スリップとは
- ミステイク:計画段階の見落とし
- 物忘れ:一時的に思い出せなくなる
- スリップ:行動中のミス
アクション・スリップは主行動の途中に他の行動が介入することで、主行動が阻害されてしまうことを指します。
どんな状況で起こるの?
アクション・スリップは1900年代に研究が進み、その特性が明らかにされています。
1.日常的な行動
ある研究では、日常的で慣れている行動中にアクション・スリップが生じやすいとしています。
部屋にものを取りに行ったり、通学通勤先から帰宅したり、日常行動はわざわざ考えなくてもできますよね?
何度も経験したことで脳が記憶し、行動が自動化されているんです。
しかし、自動処理中に他の意識を伴う処理(漫画を見つけるなど)が介入すると、処理手順が変化し、自動処理にエラーを起こしてしまうんです。
2.要素を共有する2行動
2つの行動を同時並行する際にもアクション・スリップが生じやすいです。
特に、日常行動と非日常行動を並行する場合に、両者が共通項目を有しているとアクション・スリップが生じやすいです。
日常行動が支配的なため、要素を共有した以降は非日常行動が忘れ去られてしまうのです。
予防・対策方法
日常行動「道を歩く」と比較すると、「信号確認」は非日常行動とみなせます。
いつもの道でもふいにアクション・スリップが発生し、信号確認を忘れてしまうかもしれません。危険は不意に訪れるものですから、予防は大切ですよね。
ではどのように予防するのでしょうか。
まず、「自分は今何をしているのだろうか」と俯瞰してみて下さい。
自動化された行動を意識行動に戻すことでアクション・スリップのリスクが軽減されますし、いつもの景色が新鮮に見えますよ。
私も買い物帰りに俯瞰してみるのですが、新鮮な景色を感じて、旅行に来たというくらいに感動することがあります。
以上今回は心理学効果の1つ「アクション・スリップ」をご紹介しました。
少し意識するだけでアクション・スリップは予防できますので、ぜひ一度自分の行動を俯瞰してみて下さい。