ゼネコンとは

ゼネコンとは、ゼネラルコントラクター(General Contractor)の略で、いわば現場監督です。

土木や建築の工事現場には、鉄筋を組立てる業者や木材加工をする人など多種多様で、それらを次何しろって指揮するのがゼネコンの仕事です。

 

仕事タイムスケジュール【体験談】

指揮するって具体的にどういうことなのでしょうか?

「次この木をそこに立てて!」っていちいち口出ししてる訳ではありませんよ?

私が大手ゼネコンで働いていた頃の1日のタイムスケジュールをご紹介します。

ゼネコン新入社員のタイムスケジュール
  1. 朝礼までの流れ
    5:50 起床
    6:30 自宅出発
    7:00 出社(会社までこんな近いのは激レア)
    〜7:30 作業着に着替え・メールチェック・夜勤作業進捗チェック・朝礼準備
    7:50 朝礼
    朝礼終わり次第そのまま現場へ
  2. 朝いちでやること
    作業開口扉の解錠・照明点灯・排水ポンプの動作確認
  3. 午前中にやること
    資機材搬入車両の誘導・現場掲示物の更新・立会検査準備
    12:00〜昼休憩
    12:45〜昼礼
    昼礼後そのまま午後作業開始
  4. 午後にやること
    昼礼・立会検査・事務資料作成・測量(位置出し・出来形)・資機材発注・現場資材在庫チェック・現場施錠・夕礼
    17:30〜夕礼
    夕礼終わり次第一応勤務終了
  5. 定時後
    工程確認・明日やることの整理と物の準備・社内提出物・事務所の掃除・ゴミ出し
    20:00〜22:00 着替え・退社
    20:30〜22:30 帰宅
    23:30 就寝

 

1.朝礼まで

通勤時間

まず言っておきたいのは、通勤30分で着く現場なんて激レア物件だということ!

これは私が「通勤に1時間もかかるなら量の意味ないでしょ?バカなの?」って人事に直談判したためこんな近くなったんです。

元々の配属予定は、通勤に徒歩電車バス徒歩で2時間近くかかる馬鹿みたいに遠い現場でした。

山奥の現場は「はんば」と呼ばれる現場宿舎住まいなので、通勤徒歩5分と逆に近いんですが、中途半端に都市工事なのが一番遠くなってしまいます。

たいていは寮暮らしだと通勤1時間と考えておきましょう。

 

メールチェックって?

メールチェックってどの業界のタイムスケジュールを見てもありますが、

実際パソコンいじってるだけじゃん

私も就職する前はそう思ってました。

「お願いされてた仕事終わったよ」って業者から連絡が来てたり、所長や社内人事から「この仕事やってくれない?」って深夜にメールが来てたりします。

また、新入社員は研修が多いので、次の研修日程と出欠アンケートに回答しないといけなかったりと結構忙しいです。

 

朝礼とは

朝礼とは、その日の作業や安全意識を確認する儀式のことです。

ゼネコン社員から作業員まで全員が現場近くの広場に集まり、ラジオ体操をして、各業者の職長がその日の作業内容と、その作業で予想される危険を発表します。

朝礼が終わると、ぐだぐだと世間話しながら現場に向かって作業開始です。

 

2.朝一でやること

作業開口扉の解錠

私の現場は地下構造物を作っていたので、地下に潜る階段通路の扉を毎朝開いてあげないと作業できませんでした。

なので、毎朝扉を開けて、地下階の照明のスイッチをつけるってのが日課でした。

 

排水ポンプの動作確認

特に建築工事は水分があると作業できないって怒る職人さんが多いので重要なポイントです。

私は地下工事で常に地下水が出てたので、1ポンプ止まるだけでも湖になるので大変でした。

しかも排水ポンプってずっと動作してるのでしょっちゅう故障するんですよね。

 

3.午前中にやること

資機材搬入車両

先ほどの故障した排水ポンプの交換品や鉄筋など資材など注文した資機材搬入車両は午前のうちに現場に入れてしまって、その日に使います。

どこに置いたら使いやすいか、大きな車両が通っても作業の邪魔にならない導線はどこかなど、考えることは多いです。

立会検査準備

立会検査は定期的にあるもので、発注者が現場に来て、設計図通りに作っているかチェックするものです。

柱が壁から15cm離れていないといけないなら、そこに定規を当てて置いて、発注者が見やすいように準備しておきます。

立会検査では説明を書いた小さい黒板とともに証拠写真を取るので、黒板の準備も併せて行います。

 

4.午後にやること

昼礼

昼礼とは、午後からの作業や翌日の作業内容を確認する儀式です。

朝礼と違ってラジオ体操は行いませんが、作業内容と危険箇所を発表するのは変わりません。

 

立会検査

立会検査準備のとこでも紹介しましたが、設計図通りに工事していることの証拠写真を取る作業です。

発注者が来るので、一緒に確認して写真を撮っていきます。

ゼネコンから見ると発注者はお客様なので、なるべく時間がかからないよう入念に準備し、素早く済ませるよう心掛けます。

 

事務資料作成

現場事務所に事務専門の社員も常駐しているのですが、専門知識が無いので工事のことが分からなすぎるため、技術系社員も事務仕事を行うことになります。

事務仕事とは例えば下請け業者との契約更新内容をキングファイルにまとめたり、仮説足場設置予定なら許可証の申請が必要だったりします。

 

測量

柱を建てる位置を示す点を地面に描くことを位置出し測量、出来た柱が本当に正しい位置にあるかチェックするのに行う測量を出来形測量と呼びます。

全ての物についてこれらを行なっていくので、その量たるや計り知れません。

ちなみにトンネル工事だと毎時間土が沈むので、昼勤と夜勤の交代の度に行います。

しかもトンネルって開通してないときの入り口は1つで、そこから一番遠いのが新しく掘ったとこ。

つまり数kmを行って測量して帰ってきてって、もちろん車移動ではありますが、時間消費がえぐいです。

 

資機材発注

現場の作業足場も、建物ができる度に一階ずつ高くしていくイメージは伝わりますよね?

そのくらいのペースで毎回注文します。

他の資機材もあるので、忙しいとかだと毎日複数の発注があるし、少なくても週3,4回以上は発注業務があります。

実は、営業マン以上に携帯電話が手放せない仕事なんです。

 

夕礼

夕礼も昼礼とほぼ変わりません。

その日の作業でおかしなことが無かったか、明日の作業予定の確認を行います。

夕礼が終わると勤務終了って感じで大きな「お疲れ様でした!」が響き渡ります。

 

定時後

本来は夕礼が終わり次第、勤務終了なんですが、まだやることが残っています。

昼は現場に出ずっぱりで事務所での作業が溜まってしまいがちです。

その辺が残業として残るわけですね。

 

翌日の作業確認

翌日の作業を確認し、安全看板の作成等の事務所でできる仕事をやります。

安全看板とは、「安全通路」 「頭上注意」といった現場にある札のことです。

印刷してラミネートしておいて、翌日現場に持ってって貼ります。

 

社内提出物

社内メールでウェブテストやアンケートを求められます。

10分ほどで終わるものがほとんどです。

その他、研修の出欠アンケートや、社内懇親会の日程調整等。

 

事務所の掃除・ゴミ出し

事務所の清掃も新入社員の役割です。

帰り際にゴミ出しして、共有の机に置いたままの書類を本棚に戻してようやく帰宅です。

 

リアルな残業時間

これだけの仕事内容だと、残業時間やばいよねって話です。

リアルな残業時間で言うと、忙しい現場だと100時間は余裕で超えます。

しかし、法律違反するなって上からの圧力で公に申請するのは過労死ラインの80時間ギリ分まで。

サービス残業のオンパレードですよ。

ある調査では以下のように現場監督の残業の多さが目立っていますが、現実はより厳しいです。

業種別残業時間ランキング
残業時間(h) 業種
1位 53.7 映像関連
2位 52.8 編集、デスク
3位 51.3 施工管理(ビル/マンション/商業施設)
4位 50 コンサルタント
5位 44.8 ドライバー・配送スタッフ
6位 44.8 Webプロデューサー/ディレクター
7位 43.1 グラフィックデザイナー/イラストレーター
8位 43 投資銀行業務
9位 41.9 営業(広告・メディア)
10位 41.7 クリエイティブディレクター/アートディレクター

残業の多い職業・少ない職業は?全80業種、95職種別の残業時間調査! |転職ならdoda(デューダ)

ただし、最近の働き方改革推進の成果もあって、残業の少ない現場であれば新入社員なら月50時間程度に抑えられることもあります。

 

給料明細【写真あり】

ゼネコン業界は残業の多さとともに、高給取りとしても有名です。

基本給が高い上に、残業が多いなら余計に金持ちだろって発想です。

もちろん、新入社員から40代の平均収入くらいもらえますよ。

でも、残業時間で割ったらどうなることか。

私が新入社員だった頃の給料明細こちらです。

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このときは残業60時間くらいで提出した月ですね。

就活生の方は、月給26万+残業時間×2千円で計算すると大体出ます。

月の残業上限が過労死ラインの80時間だとすれば、26万+80×2千=42万ですね。

まあ税金取られるので手取り35万くらいですが。

 

就活生へアドバイス

本当に好きじゃないと続かない

まず、ゼネコン業界には「本当に鉄道が好きで鉄道工事がしたくて入社したんだ」「実家が建設会社で子供の頃からなる予定だった」って、意志の強い人たちが一定数います。

例え激務でも好きなことだから楽しめるって人が残ります。

厳しいことを言いますが、中途半端な気持ちで入ると後悔します。

 

若いうちに稼ごうって人も結構多い

厳しいことを言いましたが、一方で若いうちに稼いで貯金して、2〜3年で転職予定って人も結構多いです。

体感だと3割くらいはそうです。

若いうちから残業し放題、稼ぎ放題なのはゼネコンしかありませんからね。

数年で辞めて地方の市役所に転職するケースが最も多いです。

企業のための資金集めって人もいます。

個人的にこの考えは全然アリだと思います。

一番大変な業種を一度味わった上での転職先では、業務が楽すぎて早く終わり、きっと優秀な人扱いしてもらえるでしょう。